ミャンマーで今月、全権を握る国軍が「公正な選挙」に必要だとして国勢調査を実施するなか、抵抗勢力が調査員らを襲撃する事案が各地で起きている。個人情報を国軍に悪用されるとの疑念から、調査自体に不信感を抱く市民も多い。
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「国勢調査を担うことを恐れる調査員ばかりで、作業が進まない」。最大都市ヤンゴンのある地区の男性行政官(62)はそう明かした。
国軍は2021年のクーデター時、国軍系政党が大敗した前年の総選挙で「不正」を主張。「公正」な選挙のため、国勢調査で市民の家族構成や年齢を聞き取り、正確な有権者名簿を作り直すとしている。
「徴兵に適した男性を把握しようと」
男性は役所職員や教員、警備役の兵士ら数人のチームを作り、今月1日から住民の戸別訪問を開始。だが直後から抵抗勢力による襲撃が伝えられ始めた。
米政府系放送局ラジオ・フリ…